「戦争というもの」半藤一利 読後感

半藤一利の「戦争というもの」昨日(2021/06/28) 読了しました。
一気に読めた。

あの戦争下の日本とコロナ禍にある今の日本が重なって見えるのはわたしだけだろうか。当時の大本営や政治家重臣たちが、今の菅政権・官僚に類似していると思えてならない。

あの太平洋戦争で1千万人もの日本人が兵隊や軍属として戦い、戦死者は実に240万人に達した。そのうち70%はほぼ餓死だったという事実には憤りを覚える。これはもう人災ではないか。軍上層部の無策ぶりは、この書物であちこちに書かれているけれど、この70%もの餓死者を出したことは、日本軍最大の過ちだと思う。

他にも、大本営トップや政治家重臣の、情報収集能力の欠如、国際感覚の欠如はあきれるばかり。3国同盟が太平洋戦争の導火線に火をつけた政策だったのに、東条英樹はそれがわかっていなかったこと、硫黄島守備隊や沖縄は本土決戦のため見捨てられたこと、大和は勝つ見込みのない、片道切符で送り出されたことなど、その無策ぶりをあげたら、きりがない。

著者の半藤一利が引用した若槻礼次郎のことばは重い。「理想のために国を滅ぼしてはならない」
菅総理に「オリンピックのために国を滅ぼしてはならない」と言ったら言い過ぎかもしれないが、そういいたくなるような日本になっている気がしてならない。

J. D. サリンジャーの作品電子書籍化決定

これを文学的事件と言わずして何を文学的事件と言うのか!
8月11日付電子版New York Times紙 (以降NYT紙) に ”J.D. Salinger, E-Book Holdout, Joins the Digital Revolution” という記事が掲載された。

 

J. D. サリンジャーの作品が電子書籍で読める!しかも新作が50年ぶりに出版されるなんて!これは大事件である。


”The Catcher in the Rye” や “Nine Stories” も電子書籍化が決まった。実に喜ばしい。さらに、父親の作品をこれまで守ってきた長男(Matt Salinger)が父親の未発表の作品(約50点あるらしい)や手紙を公開すると発表した。J. D. サリンジャーは、2010年に91歳で亡くなる死ぬ直前まで執筆に励み、その数は50点に達していた。

 

NYT紙のインタビュー記事によれば、まず今週、サリンジャーの4作品が電子書籍化される。E-bookで読める作品は、”The Catcher in the Rye” と“Nine Stories” のほか“Franny and Zooey,” “Raise High the Roof Beam, Carpenters and Seymour: An Introduction.だそうだ。


NYT紙 の記者は ”the last 20th-century literary icon to surrender to the digital revolution” と表現しており、われわれ世代の代表的な感想かもしれない (あのサリンジャーもついにデジタル革命の軍門に下るのか…) 。私自身は電子書籍化大賛成である。

 

電子書籍化の次は、ニューヨーク公立図書館主催により作品が展示される。私信、家族写真、The Cather in the Ryeのタイプ原稿(作家自身の手書き修正あり)、その他、16点が出品されるとのこと。
未発表の作品は数も膨大で、今後5年から7年かけて徐々に発表されるという。

J.D. サリンジャーは人前に姿を見せないことで有名だったが、徹底したインターネット嫌いでもあったらしい。Facebookについて説明しようとした息子にひとことhorribleと言ったとか。
息子から見てもとにかく頑固で疑い深い人間だったようだ。しかし、未発表の作品はいつか出版するつもりでいたとも息子は明かした。

 

父の遺志を守ることと読者の要望との間でサリンジャーの長男は葛藤してきた。
ある高齢の女性(80歳代)は「自分が生きているうちになんとかサリンジャー作品の出版をしてほしい」と手紙で訴えてきたが、これには息子も心を動かされたようだ。そもそも彼が電子化を考えるようになったきっかけは、ミシガン州に住む女性からの手紙だった。その女性は体にハンデを抱え、紙の本を読むのは難しかったという。さらに今年旅行で訪れた中国で多くの若者がスマホやデジタル機器で読書をしているのを目の当たりにしたことも、要因のひとつだった。そして長男はついに4作品の電子化を承諾したという。


長男は最後にNYT紙の記者にこう語っている。「(80歳代の女性から届いた)あのような手紙を父がもし読んだら、やはり心を動かされたでしょうね」
読者があっての文学作品。これは真理だと痛感した。

8インチタブレットを買った!

Huawei MediaPad M3  8インチ Wi-Fi スタンダードモデル

 

  1. 購入動機

iPad スマホの間にもう一台タブレットが欲しかった

現在モバイルデバイスは、iPad 第3世代(5, 6年前に購入)とスマホSamsung Galaxy S7 Edgeを使用。

このところ7インチか8インチのタブレットが欲しくなり、今月購入を決意。予算は2万から3万。

 

なぜほしくなったか、理由は以下のとおり。

 

iPadが重い

iPadは画面もきれいだし、使い勝手も悪くはないが、片手でもつには重すぎ。そのうえ、ここ数年、Wi-Fiの速度がスローダウン気味。

Wi-Fiルーターを新品の802.11ac対応に買い替えたものの、それほど改善せず。

 

Kindleで読むにはスマホより大きい画面が欲しい

Galaxy S7 Edgeも画面がきれい、動作もサクサク、インターネットも速いしと申し分のないスマホ。それでもKindle本を読むとき、ついもう少し大きければなあ、と思ってしまうのも事実。前に書いたようにiPadも悪くはないが、重いのが難点。

 

Huawei MediaPad M3 8インチタブレットに決めた!

というわけで、7インチか8インチタブレットを買うことに。ただ、画面(解像度)、インターネット、処理速度の点は妥協したくなかったため、

解像度がFHD、無線LANが802.11 ac対応、メモリが4GBの製品に限定。予算も思い切って3万台に。

画面の解像度が高く、色がきれいで鮮明なディスプレイであることと、無線LAN規格が802.11ac、メモリが4GBというのは選定にあたっての最重要ポイント。

その一方、ストレージとカメラは2の次。カメラはSkypeができれば充分との判断。

ストレージはOneDriveやGoogle ドライブもあり、必要ならmicroSDカードで代用も可。写真もGalaxyに搭載の高性能カメラを使用すれば済むこと。

いろいろ比較検討し、人気商品ということもあり、昨年後半に発売されたHuawei のMediaPad M3 Wi-Fi 8インチを購入することに。

 

 

  1. 使用感

画面、スピード。どれも満足!

やはり、5.5インチのスマホと比べると8インチの画面は大きい。それでいながら、薄型軽量。片手でホールドもらく。

デザインもそれなりに高級感もあり、満足。アプリの起動も速い。さすがRAMが4GBだけのことはあり。7インチ+メモリ1GB+Wi-Fi 802.11nで1万円台も候補にあがったけれど、Galaxy S7 Edgeのメモリ4GB、802.11acのスピードに一度慣れてしまうと、このスペックではストレスが溜まりそう。

 

ディスプレイはWQXGA高解像度(2560 x 1600)で小さな文字や写真の細部までくっきり。またIPS(広視野角)技術を使ったパネル搭載により、斜めから見ても鮮明。ちなみにiPad (第3世代)の解像度はQXGA (Quad XGA) 2048 x 1536。Galaxy S7 EdgeはWQHD (2560 x 1440)

 

Amazon Kindleを早速Google Playからダウンロード。読みかけの「東芝解体 電機メーカーが消える日」開いてみる。画面が広いと読みやすい。

YouTubeでの動画再生もストレスを感じない。

期待しなかったカメラも画素が800万画素なので、充分。ちなみにGalaxy S7 Edgeのカメラはリアが1220万画素、フロントが500万画素。自撮りするならHuaweiのMediaPadが解像度では上。

 

 

プラス

・8インチの大画面(スマホと比べて)

・画面がキレイ(QHD解像度、IPSパネル、光沢)

・処理速度が速い(CPUオクタコア、メモリ4GB)

・インターネットが高速無線LAN802.11acに対応。YouTubeでの動画再生もサクサク

・軽い(質量約310g)

 

マイナス

・パネルのガラスの強度が若干不安。メーカーのHPを見てもディスプレイガラスの強度については言及なし(とりあえず、サードパーティのカバーを購入)

Android 6.0。使用中のGalaxy S7 EdgeのOSはAndroid 7.0なので、できればこちらも合わせたかった。(使用に関しては特に大きなマイナスではない。なれれば同じ)

上記はマイナス点にはあげたが、全体的には使用していて特に問題なし。

 

3.スペック

・ディスプレイ:約 8.4 inch  2560 x 1600 IPS

・CPU:Huawei Kirin 950 オクタコア (4 x A72@2.3GHz + 4 x A53@1.8GHz)

・メモリ:RAM 4GB

・ストレージ:ROM 32GB / microSDカード(最大256GB)

・カメラ:リアカメラ(AF) 800万画素、フロントカメラ800万画素

・オーディオ:デュアルスピーカー(サラウンドサウンド)

・バッテリーライフ 8H

・接続性:Wi-Fi: 802.11a/b/g/n/ac 準拠 (2.4 / 5GHz) 、Bluetooth: Bluetooth 4.1

指紋認証:あり

Android 6.0

・寸法:高さ:約215.5mm、幅:約124.2mm、厚さ:約7.3mm

・質量::約310g

 

まとめ

購入して5日経ちますが、今のところ、満足して使用しています。

スマホ(Galaxy)とのテザリングがうまくいかなかったのですが、Bluetoothでなんとか接続できました。これで外出先でもインターネットにつながります。

タブレットに3万円は高いかどうかは人によりますが、私にとってはお買い得感ありです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『下町ロケット 2 ガウディ計画』名言集

私が個人的に気に入ったことばを抜粋してみました。

特に注記がないものは佃製作所社長佃航平のことばです。

また、引用元は小学館下町ロケット 2 ガウディ計画』池井戸潤 2015年11月5日発行 (電子書籍版)からです。電子書籍版のため(dブック)ページは記載しておりません。ご了承ください。

 

「人間ってのはな、マイナス思考に陥るのは実に簡単なんだよ。それに比べたら、プラス思考のいかに難しいことか。苦しいときこそ、人の真価が問われるんだ」

 

「どこに行っても楽なことばかりじゃない。苦しいときが必ずある。そんな時には、拗ねるな。そして逃げるな。さらに人のせいにするな。それから-夢を持て」

 

「いろいろな壁が世の中にはある。楽にうまくいく仕事なんてないさ。だからといって、逃げたら何ひとつ、残らない」(佃製作所技術開発部長山崎のことば)

 

「スマートにやろうと思うなよ。泥臭くやれ。頭のいい奴ってのは、手を汚さず、綺麗にやろうとしすぎるキライがあるが、それじゃあ、ダメだ」

 

「とかく組織でがんばってる連中ってのは、出世競争から外れると、魔法が解けたように我 に返ることがあるんです。いったい、オレはなにをやってたんだろうって。人生にとって 、もっと大切なものがあるんじゃないかってね」

 

「今時誠実さとか、ひたむきさなんていったら古い人間って笑われるかも知れないけど、結局のところ、最後の拠り所はそこしかねえんだよ」

 

「そう決めたのなら、どこまでも立ち向かえ。たとえダメでも、その経験は必ずこれからの 人生に生きてくる。いま会社は修羅場だろうが、修羅場でしか経験できないこともあるはずだ」

 

「下町ロケット 2 ガウディ計画」池井戸潤 (小学館)

下町ロケット2』買いました。

一気読み必至の面白さは、本作でも健在です。
朝5時に読み始め、夜には読了しました。

 

今度の敵は、二人。

白い巨塔」、医科大学での出世をたくらむ心臓外科の貴船教授とNASAでの華麗なるキャリアをひっさげ、主人公と同じ中小企業の経営者となった野心家のサヤマ製作所社長椎名。これに日本クラインという医療機器メーカーと厚労省の医療機器承認機関の担当者が加わり、佃たちを窮地に陥れるのですが....

 

そして彼らと立ち向かうのは、理想に燃える新進気鋭の心臓外科医一村、福井の中小企業ながらも独自の技術をもっているサクラダ、そして佃製作所の佃、山崎、殿村。その他、佃の若い社員、立花と加納のがんばりも感動もの。(個人的には銀行から出向していまや佃の社員になっている殿村が好きですね)

 

今回は人工心臓と心臓に使う人工弁の開発をめぐるストーリー。前作同様、帝国重工の財前部長も重要なやくどころで登場します。

 

医療機器の認可のあり方や大学病院のあり方、ひいては日本の医療のあり方と中小企業で働く若い技術者や社員のあり方にも作者の思いが読み取れる作品となっていて、読み始めたら、止まらなくなること請け合いです。